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プロパンガス会社の変更方法|戸建てなら選べる。料金の適正チェックから始める

  • 戸建て(持ち家)ならプロパンガス会社は自分で選べる。賃貸集合住宅は入居者では変更できない
  • まず検針票の請求額を全国平均(月10m3で9,697円・2026年6月確報)と比べる
  • 切り替え時は「貸付配管・無償貸与設備の精算」の確認がトラブル回避の要

結論:変更できるのは「戸建ての持ち家」

プロパンガス会社の変更を考える前に、自分が変更できる立場かを確認します。経済産業省は「賃貸集合住宅の場合、入居後は事実上LPガス事業者を変更できない」という実態を公式に示しています(経済産業省 2024年4月2日プレス)。ガス会社を選ぶ権利は建物の所有者側にあるためです。

  • 戸建ての持ち家 → 自分で変更できる。この記事の対象
  • 賃貸(戸建て・集合とも) → 契約者は大家・管理会社。不満がある場合は大家に相談する
  • 分譲マンション → 建物単位の契約のため、管理組合での検討になる

新築(建売・注文住宅)でガス会社を選べないと感じたら

新築時は、ハウスメーカーや工務店がプロパンガス会社をあらかじめ決めているケースがあります。以前は、LPガス事業者が建設業者に無償貸与(給湯器・エアコン等の無償提供)や無償での配管工事の請負、紹介料の支払いといった利益供与を行い、その見返りに自社を指定させる商慣行がありました。国土交通省は、こうした過大な営業行為が2024年7月2日施行の制度改正で禁止され、建設業者側もそうした利益供与に応じたり求めたりしないことが求められるようになったと説明しています(国土交通省「LPガスの商慣行是正に向けた制度見直しについて」、本日取得)。

引き渡しを受けて建物の所有者になれば、この記事の「戸建ての持ち家」に該当します。指定されたガス会社の料金に納得できない場合は、下のステップ1〜4の手順で比較・変更を検討してください。

ステップ1:検針票と全国平均を比べる

LPガスの料金水準は、石油情報センター(日本エネルギー経済研究所)が調査・公表しています。直近の確報(2026年6月調査)の全国平均は次のとおりです。

月間使用量全国平均(基本料金・税込み)
5m³5,925円
10m³9,697円
20m³16,892円
50m³36,962円

出典:石油情報センター「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 確報」(取得日 2026-09-05)

基本料金の実額も都道府県別に公表されており、たとえば東京都1,894円・埼玉県1,924円・大阪府1,907円・愛知県1,911円・北海道2,285円で、主要都府県は概ね1,800〜2,300円の範囲です(同上)。

検針票の「使用量」と「請求額」をこの表と見比べてください。同じ使用量で平均を大きく上回っているなら、料金の内訳を確認する価値があります。地域差(北海道・東北は高め)があるので、地方別・都道府県別の平均データも参考にしてください。

ステップ2:料金の内訳を確認する(三部料金制)

2025年4月2日から、LPガス料金は「基本料金」「従量料金」「設備料金」の3つに整理して算定根拠を通知することが義務になりました(三部料金制の徹底。資源エネルギー庁 Q&A)。該当する費用がない場合も「0円」「該当なし」と3区分で通知される決まりです。

これは2024〜2025年に段階施行された商慣行是正の一環です(経済産業省)。

  • 2024年7月2日施行: 過大な営業行為の制限(切り替えを制限する条件付き契約などの禁止)、賃貸入居希望者への料金情報の事前提示
  • 2025年4月2日施行: 設備費用の外出し表示・計上禁止(ガス消費と関係のない設備費用をガス料金に上乗せすることの禁止。賃貸住宅では消費設備費用の計上も禁止)

つまり、通知される内訳に不透明な設備費用が混ざっていないかを、以前より確認しやすくなっています。なお、2025年4月2日より前からの既存契約には設備費用の計上禁止は適用されず(外出し表示は必要)、新制度対応への見直しは努力義務とされています(資源エネルギー庁 Q&A)。

ステップ3:切り替え前に「配管と設備の精算」を確認する

切り替えで最も注意すべきポイントです。資源エネルギー庁は、戸建てでは配管の所有権をガス事業者が持つ「貸付配管」という商慣行があり、解約時に配管の精算を求められて訴訟になった事例が多く発生していると説明しています(資源エネルギー庁「LPガスの商慣行」)。業界の「LPガス販売指針」では、契約時に配管の所有権が事業者にあることを明示することになっています(同上)。

切り替え前にやること:

  1. 今の契約書(供給契約書・14条書面)を確認する — 配管・給湯器などの所有権と、解約時の精算条件が書かれているか
  2. 精算金額の有無を現在の会社に確認する — 無償貸与された設備(給湯器など)が残っていれば残存価額の精算が発生する場合がある
  3. 切り替え先の見積もりに、精算費用の扱いを含めて比較する

ステップ4:複数社を比較して切り替える

見積もりは1社で決めず、複数のガス会社(または一括相談サービス)で比較します。比較するのは「従量単価」「基本料金」「値上げ条件」「設備の扱い」の4点です。切り替え手続き自体(現在の会社への解約連絡・ボンベやメーターの交換)は切り替え先の会社と日程を調整して進めるのが一般的で、供給が止まる期間は基本的にありません。

契約後に不当な営業行為(切り替え妨害など)を受けた場合、資源エネルギー庁が匿名でも使える「LPガス商慣行通報フォーム」を設けています(資源エネルギー庁「LPガスの取引適正化」)。

賃貸に住んでいる場合

入居者の立場ではガス会社を変更できませんが、2025年4月2日以降に締結する契約では、事前の合意がない場合は原則として設備費用の負担はないとされています(消費者庁「賃貸住宅のLPガス料金」)。これから賃貸を契約する人は、賃貸借契約の前にLPガス料金の内訳を確認しましょう(入居希望者への事前提示が求められるようになっています)。すでに入居中で料金が高いと感じる場合は、検針票と全国平均の差を示して大家・管理会社に相談するのが現実的な手段です。賃貸でガス代が高くなる構図と、入居中に値上げの通知が来たときの確認ポイント(原則1か月前までの理由つき通知など)は賃貸のプロパンガスが高い理由にまとめています。

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